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Calling BEAMS CRAFTS IN THE MAKING
高感度なファッションアイテムを中心にオリジナルブランドなども豊富に揃え、幅広い年代層に支持されているセレクトショップ、「ビームス」。 2021年、後世に残すべきものづくりをしている多くの文化を守るため、ファッションというフィルターを通して新たな価値を生み出し、未来へと繋いでいくプロジェクト「Calling BEAMS CRAFTS IN THE MAKING」を立ち上げました。 「ANoTHER IMPERIAL HOTEL」の「地域共創」の理念とも深く共鳴するその取り組みについて、ディレクター佐藤幸子さんの思いに迫ります。
佐藤幸子(さとう・さちこ)さん
1995年にBEAMSに入社し、長年バイイングやデザインに携わり、国内外のヒト・モノとの繋がりを活かした商品開発を牽引。久留米絣や肥前焼との出会いを機に「CATHRI」と「HIZEN Jewelry」の両ブランドを立ち上げ、地域とファッションの未来を繋ぐ活動に精力的に取り組んでいる。
佐藤さんと久留米絣との出会いは、2018年に遡ります。 「福岡の工芸展で偶然立ち寄った久留米絣のブースでしたが、すっかり心を奪われてしまいました。職人さんたちのモノづくりのエネルギーやこだわりに圧倒され、久留米絣の成り立ちやストーリーも含めて、惚れ込んでしまったんです」
「この美しさと作り手の熱い思いを、現代のファッションに活かしたい」。そう強く感じたという佐藤さん。その後、福岡県が久留米絣に関わる企画を募集していると知り、思いの丈を企画書にまとめて急いで提出。それがビームスのオリジナルブランド、CATHRIの原点となりました。
CATHRIシリーズは、佐藤さん自ら洋服のイメージをスケッチで描きデザインしている。
福岡県が誇る国の重要無形文化財に指定されている久留米絣を、現代の感性で解釈しているCATHRI。藍染めの深い色や織りの美しさを大切にしつつ、普段使いできるリラクシングなフォルムやユニセックスなシルエットで、世代や性別を問わず着こなせるウエアとして、佐藤さんは提案します。
「久留米絣を扱うにあたって、伝統を損ねてはいけないという思いから守るべきルールがあるか職人さんにお尋ねしたところ、“自由にやっていいよ”と言ってくださったことに感動しました。その言葉でスッと肩の荷が下りて、伝統と現代のライフスタイルを融合させた服作りを目指すことができたんです」。
こちらのポンチョは全てのパーツが久留米絣で作られており、ブラウスや上着感覚でさらりと羽織るだけで様になる。
佐藤さんデザインの水玉模様(ドット)をウエスト部分にあしらった久留米絣が、オシャレ度とシルエットの美しさを高めるアクセントになっているドレスコート。
ボディラインを自然にカバーしてくれる流れるようなドレープが魅力のワンピース。職人が手作業で藍染めしたウエスト部分の手織り絣が効いている。
絣特有の模様や風合いは、職人による数多くの工程を経て生まれます。伝統的な職人技を踏襲した絣と、現代の素材やシルエットの化学反応がCATHRIの最大のポイントです。
「海外も含めて多くの方に日本の伝統工芸を知ってもらい、日常的に身に着けて親しんでいただけたらと思います。歴史と格式のある場所にも似合い、お食事やお出かけの際に活躍するドレスをイメージして作りました」
久留米絣が織りなす水玉模様。深みのある藍と白のコントラストと繊細な柄は、手掛ける職人の高い技術のなせる業。
ポンチョの背中に施された伝統的な和のテイストの柄は、職人が柄のバランスを考えながら繊細に織り上げることで生まれる。
四角い枡が重なった重ね枡(かさねます)模様は、『枡=増す』という意味を重ねた縁起の良い絵柄。こうした感性も日本ならでは。
>「CATHRIシリーズ」詳細はこちら
佐藤さんが九州を訪れた際に出会ったもう一つの伝統工芸が、肥前の陶磁器でした。窯元で目にした陶磁器の繊細な魅力に心を奪われたという佐藤さん。職人が一点ずつ絵付けする技術力とその美しさに感銘を受け、「宝石を纏うように、焼き物を纏う」というコンセプトが生まれました。
「HIZEN Jewelryは、肥前の陶磁器をジュエリーに見立てて、和の気品と現代の感性を融合させたコレクションです。かねてより趣味で集めていた1960年代のニューヨークのコスチュームジュエリーからも着想を得ています」
ヴィンテージのコスチュームジュエリーをイメージし、磁器と淡水パールでデザインされたネックレス。
カットソーやTシャツなど、カジュアルなアイテムに合わせられるのも魅力のひとつ。
ジュエリーのデザインイメージは、佐藤さんがご自身でスケッチ。職人に見せて細かいニュアンスを伝える。
職人にネックレス用のチャームを依頼した当初は、「こんな小さい磁器をどうデザインするの?」と驚かれたという。
例えばネックレス一つとっても、白磁ならではの透き通るような純白、手描きの和柄が生む唯一無二の存在感は、まさに小さなアートピース。繊細な反面、凛とした品格を感じさせ、ジュエリーとして身に纏うことで自然と背筋が伸びるような気持ちに。その質感と光の反射が、コーディネートに柔らかな華やぎを添えてくれます。
磁器をダイヤモンドのような存在にしたい、という想いで誕生したネックレス。直径1.1㎝ほどの小さな嬉野吉田焼のチャームをブリリアントカットのように仕上げ、ジュエリーらしい表情に。
透き通るように美しい有田焼の白磁に、青市松模様が映えるロングネックレス。端正な丸い磁器と有機的なフォルムの淡水パールが織りなすコントラストも特徴。
縁起物の柄を施したホワイトベースと、幾何学柄がモダンな印象を放つブラックベースの、鍋島焼ジュエリーリング。
>「HIZEN Jewelry シリーズ」詳細はこちら
ビームスは1976年、東京・原宿で創業。1号店「American Life Shop BEAMS」に続き、世界の様々なライフスタイルをコンセプトにした店舗を展開し、ファッション・雑貨・インテリア・音楽・アート・食品などにいたるまで、国内外のブランドや作品を多角的に紹介するセレクトショップの先駆けとして時代をリードしてきました。特にコラボレーションを通じて新たな価値を生み出す仕掛け役として豊富な実績を持ち、企業との協業や官民連携においてもクリエイティブなソリューションを提供しています。日本とアジア地域に約170店舗を擁し、モノ・コト・ヒトを軸にしたコミュニティが織り成すカルチャーは、各地で幅広い世代に支持されています。
そんなビームスが、後世に残すべきものづくりをしている多くの文化を守るため、ファッションというフィルターを通して新たな価値を生み出し、未来へと繋いでいくプロジェクト「Calling BEAMS CRAFTS IN THE MAKING」。
久留米絣との出会いから始まったCATHRI、肥前の陶磁器の美を纏うHIZEN Jewelry、いずれも佐藤幸子さんが全国の職人との出会いを通じて得た感動を、“デザインの力”で可視化したブランドです。「地域の良いものを、その価値やストーリーとともに、より多くの人の日常へ届けたい」と語る佐藤さんの哲学は、地域の伝統工芸を未来へ繋ぎたいという本モールの理念をさらに深化させてくれました。
CATHRIとHIZEN Jewelryを扱う「ビームス プラネッツ リミテッドストア 下北沢」には、訪れる人にくつろぎながら商品を見てほしいとの思いからバースペースも設置。こうしたところにも、人との繋がりから生まれるクリエイションを大切にするビームスの精神が見て取れる。
世界各国のプロダクトを集め、オリジナリティ溢れる商品の魅力をストーリーと共に大切に届けるレーベル「ビームス プラネッツ」の店舗「ビームス プラネッツ リミテッドストア 下北沢」。小田急線線路跡地である下北線路街「Reload」の2階で、ウェアや雑貨の販売に限らず飲食の提供も行い、体験型イベントやワークショップなどを行う新しい形の店舗です。店内には大型のバーカウンターを設けており、常時飲食を販売するほか、飲食関連のイベントの実施や、不定期で夜間のバー営業なども行います。余裕のある店内を利用したワークショップの実施のほか、「ビームス プラネッツ」におけるサテライトオフィスの役割も持たせています。
「CATHRI」「HIZEN jewelry」のコレクションは、「ビームス プラネッツ リミテッドストア 下北沢」でも取り扱っています。
「ビームス プラネッツ リミテッドストア 下北沢」公式ページを見る
ビームス プラネッツ リミテッドストア 下北沢
東京都世田谷区北沢3-19-20 reload 2-1