北の大地から届く“幸せな味わい”
とろけるような「できたてチーズ」物語

FRESH CHEESE STUDIO
「十勝ブッラータ FROZEN」

 
 

アイデアと技術を結集して、
思い描いた理想のチーズへ

つるりとした表面にナイフを入れるととろりと溶け出すミルク色のチーズは、国産乳製品の魅力を伝えるブランド「FRESH CHEESE STUDIO」と、帝国ホテル 第3代総料理長 杉本 雄がコラボレーションした「十勝ブッラータFROZEN」。北海道・十勝の生乳を使用し、食感からパッケージに至るまで綿密な打ち合わせと試作を重ね、1年以上かけて完成させた本モールの限定品です。口の中でミルキーな甘味と柔らかな旨味が弾ける“幸せな味わいのチーズ”が誕生するまでを追いました。

「ミルクが口の中で弾けるような美味しさでした!」。FRESH CHEESE STUDIOのプロダクトマネージャーを務める小森素晴さんは、イタリアのプーリア州でできたてのモッツァレラチーズを食べたときの感動が忘れられない、といいます。そのときのチーズの“幸せな味わい”を、日本のお客様と分かち合いたい──、その強い想いを実現すべく立ち上げたのが、FRESH CHEESE STUDIO。ひとくちで幸福感を味わえるできたてチーズの広い流通を目指し、株式会社明治の社内新規事業部創発の取り組みの一環としてスタートしたプロジェクトです。

できたてチーズの肝となるのは、生乳に酸や菌などを加えて凝固させた「カード(凝乳)」というチーズの素。母体である明治が北海道・十勝の酪農家の生乳から現地で生成し、東京のFRESH CHEESE STUDIOに発送。オーダーごとにブッラータチーズに加工するという生産方式で作られています。カードを生成する際に出る「ホエイ(乳清)」も無駄にせず活用。生乳の恩恵を余すところなく享受するサイクルも確立されています。

ブッラータチーズができるまでを、世田谷区の住宅街にあるFRESH CHEESE STUDIOの工房にて、工房長・原田悠暉さんに教えていただきます。

① カードを温める
十勝から冷凍で届いたカードに塩少々をふり、温める。「全体をむらなく温めるようにします。加熱しすぎも禁物です」(原田さん)

② クリームと合わせ、ストラッツァチーズを作る
クリームはマイルドミルク製法が施された明治のもの。「『おいしい牛乳』シリーズでおなじみの製法ですね。クリームとチーズをよくなじませます」。
※ブッラータチーズの中身となる、繊維状のモッツァレラとクリームを合わせたチーズ

③ ①のカードをのばす
「ひとまとめにして手早くのばしながら、繊維の方向性を作っていきます。この状態のチーズはストリングチーズ、または裂けるチーズとしても知られています」。

④ ③の一部をちぎって平らに広げて型にのせ、②をのせて包む
チーズはすぐに固まってしまうのでここからはさらに手早い作業に。のばしたチーズの中にとろりとしたストラッツァチーズを注意深く注ぎ入れる。

※この段階で使用しなかった③を細かく切り、クリームと合わせるとストラッツァチーズとなる。これが次の生成の時の②で使われる。

⑤ 形を作り、氷水につける
チーズの上部をきれいに縛ったら、すぐに氷水に浸す。「これで完成です。薄い塩水とともにカップに入れて瞬間冷凍します」。

杉本が、“この十勝の生乳の魅力を全国のお客様に届けたい”という熱い想いをもつチームと、彼らが作る「できたてチーズ」に出合ったのは2024年夏頃のこと。「その場でブッラータチーズを作る工程を見て、実に面白いと思いました。もちろん食べても美味しくて、見た目の美しさも素晴らしい。使ってみたい、作ってみたい! と料理人魂を刺激されるアイテムでした」(杉本)。より多くのお客様にお届けしたいけれど、賞味期限が短いため都内でしか販売できないという課題を聞いた杉本は、冷凍での商品開発化を含め、さらに磨きをかけた十勝ブッラータFROZENの完成を目指し、両社のコラボレーションプロジェクトが始動したのです。

杉本がリクエストしたポイントは大きく二つ。一つは「表面がつるつる、中がとろとろ」のチーズであること。「カットしたときにチーズがとろけ出るのがこの商品の大きな魅力です。ただし、さらさら流れ出るよりも、もう少しとろりとした仕上がりになればいいな、と思ったんです。そのほうが本来の味わいや食感もじっくり楽しめますから」(杉本)。これに対して原田さんは、カードとクリーム、ストラッチャチーズの配合や練り具合のあんばいを変えて、何度も試作。「仕上がったときに表面につやを残すには、混ぜ方にもコツがあるんです。企業秘密ですが(笑)」(原田さん)。

もう一つは冷凍してもできたての味わいを届けること。「冷蔵で全国へ発送するには、消費期限が2日というのはあまりに短すぎます。液体などを瞬間冷凍する“凍眠技術”なら、チーズにも応用できそうだという予感がありました」(杉本)。「冷凍してどこまで、このフレッシュさやとろける食感がキープできるのか……。離水の状態など、かなりの難題でした」(原田さん)。冷凍に成功すればレストランなどへの販路も広がるため、ここは商品開発の上でも大きなポイント。「そして冷凍発送となると、チーズを入れるパッケージも見直さなければなりません。これについても、『中が見えるカップ型』を料理長にご提案いただきました」(原田さん)。試作と試食を重ねること半年、ついに本モールオリジナルのブッラータチーズが完成しました。「解凍したあとがベストな風味・とろみ・つや具合になっていると思います」と胸を張る原田さん。ひとくち食べた杉本も「フレッシュチーズでもあり、上質で濃厚なクリームのようでもある見事な味わいです!」と大絶賛。このチーズを主役にした一皿もひらめいたようです。

美しい野菜のジュレに包まれたブッラータチーズ。できたての柔らかな白い切り口と、ジュレの透明感がみずみずしいハーモニーを奏でます。「十勝ブッラータと季節の野菜のテリーヌ」は、この商品のあらゆる持ち味を生かした、杉本自信の一皿です。アレンジメニューを考えるにあたっては、「なによりまず、チーズのとろとろ感を存分に味わっていただきたい。そして円柱形のカップに入って冷凍で届いたチーズをなるべくそのままの状態で使いたい。そこから発想を広げていきました」。

届いたときにチーズは、カップの中で薄い塩水の中に収まっていますが、塩水を野菜のジュレに変えてみたらどうだろう? ジュレであればチーズがとろけだすのを留めてもくれます。ジュレをカップに注ぎ、冷凍のままのチーズを戻し入れればジュレも早く固まるから一石二鳥。そして円柱形に固まったドームは輪切りができるので、盛り付けたときにもチーズが流れ出ることなく、魅惑的なとろとろ感を保てます。

「今回はチキンブイヨンベースのジュレにしましたが、チーズが入っていたカップの塩水をそのまま使用してもいいと思います」(杉本)。「ブッラータチーズだけをいただくより、さらにフレッシュでさわやかな味わいにびっくりです」と試食した原田さんもにっこり。よく知っているはずのチーズの新たな魅力を発見したようです。

「熟成させないフレッシュチーズは、食べやすさも魅力のひとつ」と、杉本は言います。トーストしたパンの上にチーズをそのままのせて食べるもよし、コンポートにしたベリーやフルーツを添えてもよし、もちろんワインのお供にも。「料理に使う場合は、このブッラータチーズを“濃厚で美味しいクリーム”と考えると、さらに応用の幅も広がると思います。クリームが合うものには、何でも合いますよ」(杉本)。北海道から東京の工房を経て、お客様のもとへ。このチーズの物語の続きは、ぜひご自宅で紡いでください。

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ご紹介商品

とろけるような“できたて”のフレッシュチーズをご自宅で
北海道・十勝の生乳から作った、できたてのブッラータチーズ。牧場で味わうようなフレッシュな美味しさに出会えます。作りたての国産乳製品の魅力を伝えるブランド「FRESH CHEESE STUDIO」と、帝国ホテル 第3代総料理長 杉本 雄がコラボレーション。